第6章 たまには我慢
そしてついに、それは終わりを迎えるーー
「お、終わったぁ!」
チャイムが鳴ると宇菜は脱力する
今日は午前で学校は終了
早く帰りたかった宇菜はホームルームすら長く感じてしまった
帰りに何か食べて帰ろうと言う友人に断りを入れ、宇菜は一目散に帰宅する
久しぶりに大和に甘えられる
そう思ったら初めてオモチャを手にした子供の様に胸を高鳴らせていた
夏真っ盛りという事もあり、家に着く頃には汗だくだ
とりあえずシャワーを浴びると大和からの連絡を待つ
今日は何時に帰ってくるのだろうか
自分の事にいっぱいいっぱいで大和の予定を全然把握していなかった事に気づく
頭を拭きながらスマホを手に取るとガチャっと音が響いた
明子が帰ってきたのだろうか、そう思い玄関に顔を出すと
「や、大和くん!?」
そこには最も会いたかった人物がいた
「ただいま、宇菜ちゃん」
「な、なんで大和くんがいるの!?」
「なんでって…僕も今日テストだったからだよ」
「そ、そっか…」