第6章 たまには我慢
それからというもの…
「んっ…大和くん…」
「宇菜ちゃん…」
互いを抱きしめ、唇を重ねる日々が続いていた
舌を絡ませれば吐息が熱を帯びる
全身が痺れたような甘い刺激に宇菜はうっとりとしていた
しかし、そんな幸せな時間は直ぐに終わりを迎えてしまう
「じゃぁ、そろそろ帰るね…」
唇を離した大和は少し寂しそうに呟く
宇菜も同じ気持ちだった
もっと一緒にいたい…という気持ちが強くなる
それどころか
抱いて欲しい、今すぐにーー
…という思いが強くなり胸を焦がすようになっていた
「そんな目で見つめないでよ。帰りたくなくなっちゃうじゃん」
「あっ、ごめん…」
「じゃ、勉強頑張ってね」
背を向ける大和を見送る
自分が勉強すると言い出したのだ
だから大和を引き留める資格なんてない
それなのにどうしようもなく体が疼いてしまうのだ…