第6章 たまには我慢
大和は体を起こすと宇菜と向かい合う
「宇菜ちゃん、勉強は順調?」
「うん。おかげさまで」
「そっか…」
「………」
あまりにもテンションの低い大和
どうしたらいいかわからずにいると大和の手が頬へと伸びてくる
「や、大和くん?」
「なに?触っちゃダメ?」
大和の言葉に宇菜は首を横に振る
嬉しかった
優しく撫でられるだけで胸が温かくなる
「大和くん、あと十日だから。待っててね」
「長いよ…。ねぇ、キスもダメ?」
「えっ…」
ボッと顔が赤くなる
いつも当たり前のようにしていたが、改めて言われると恥ずかしい
「キスなら…私もしたいな…」
そっと大和に唇を寄せれば二人の温もりが重なる
それはついばむようなキスから濃厚なキスへと変わっていった
舌が絡まると互いの息に熱がこもる
逃げようにも後頭部を押さえられ、その甘美なキスに酔いしれるしかなかった
「や、大和…くん…」
「ん…もうちょっと…」