第6章 たまには我慢
「…つ、疲れたぁ」
ペンを置いて背伸びをする
時計を見ればもう11時になっていた
「もうこんな時間かぁ」
喉が渇いたため、リビングに向かうとそこには意外な人物がいた
「あら、お邪魔してるわよ宇菜ちゃん」
「葉子さん!」
リビングで楽しそうに明子と話をしているのは大和の母親の葉子だった
普段は仕事が忙しいため、なかなか会う機会は少ない
「宇菜ちゃん、勉強頑張ってるみたいね。ひょっとして休憩かしら?」
「うん。喉が渇いちゃって」
「そう。じゃぁ、悪いんだけど休憩がてら大和に会いに行ってあげてくれないかしら?」
「…へ?」
首を傾げれば葉子は困ったように笑う
「あの子、宇菜ちゃんと一緒にいられる時間が減って落ち込んでるのよ。魂抜けちゃってる状態で、手に終えなくて」
「わ、私が原因なのかな…」
会おうと思えばいつでも会える距離にいる
だが、大和は相当憔悴しきってるようだった