第6章 たまには我慢
そしてそれから三日後
「ごちそうさまでした」
食事を終えた大和は立ち上がると食器を片付け、直ぐに自分の家へと戻っていく
ふらふらとした足取りで明子が呼び止めても反応することはなかった
「…大和くん、大丈夫かしら?」
「ど、どうだろうね」
大和が弱々しくなっていくのを見て宇菜はまたしても胸を痛める
そういえば大和は昔は病弱だった
海外から戻ってきてから病弱な様子は一切見せなかったため忘れていたのだ
「まったく。テスト勉強も大事だけど、普段からちゃんと復習しておかないからこういう事になるのよ」
「うっ…。わかってるよ」
あれじゃ大和くんが可哀想だわ~、という台詞が明子の口から何度も飛び出していた
普通は勉強を応援してくれるべきじゃないのか…
宇菜はため息を吐くと自分の部屋へと戻る
最近は大和と一緒にいるのが当たり前のようになっていたため、一人だと部屋がとても静かに感じてしまう
寂しい気もするが、夏休みのため、と宇菜は気合いを入れ直していた