第1章 いつか見た星空を君とまた…
先輩が、すぐ隣で星を見上げる。
緊張で鼓動が早くなる。聞こえたらどうしよう…
いや…そんなことより…ちゃんと言わなくちゃ。
伝えたいことはたくさんあるのに、やけに喉が渇いて声が出ない。
時間だけが過ぎてしまう。
早く…早く言わなくちゃ…!
そう思ってたら、先輩が口を開いた。
「何か、お願い事した?」
隣を見ると、空を見上げたままだった。
「俺の願い事は、あの時のままだよ…」
不意に私を見て笑う先輩。
…あの時…
”雪菜ちゃんが、僕のお嫁さんになってくれますよーにって”
ふと頭をよぎる、あの時の言葉…