第1章 rain of caress
「御苦労さん、・・・まあ精々励んでくれ・・ああ、また明日か。・・・ああ・・じゃあな。―――・・、・・・・さてと」
「!・・・ん・・・っ、ふ・・・」
通話時間は決して長いものではなかった。
長くするつもりもナッシュにはなかった。
それでも通話中に持て余した時間を面白いことに使ってやろうと、恐らくその場で彼なりに企てたものだったのだろう。
名無しは後頭部を抑えつけられ、それゆえに両腕を振り抵抗するも、口の中に飲み込まされたナッシュの陽物を抜くことは出来なかった。
電話が切れればきっと終わりはやって来る・・・大丈夫だろう、そんな意識を持ちつつ終始咥えさせられる。
上下の運動を強要されても、大きな声が漏れないよう気をつかった。
硬く、大きく、太ましいそれを喉元まで押し込まれて、嘔吐きそうになるのも必死に堪えた。
たまらず漏れた唾液は顎を汚し、逆らっていた両手もやがては抵抗力を失い、ただナッシュの腰に添えるだけだった。
「はぁ・・ッ・・・・、何す・・」
名無しがそこで気付いたのは、時々唇を窄めると、ナッシュが膝を揺らして尻を浮かせているように見えたこと。
電話もいい加減終わりが見えた頃合だった・・・切った瞬間、さてこれからはどうなることか。
不安には思っていたけれど、自分もまた、陰部が直接触れている下着にじわりとした感触があったことを否定出来ず、それを知られるのを恥ずかしいと感じていた。
名無しが咥えさせられて数分、終話を意味する言葉がナッシュの口から零れると、彼は漸く耳元に宛がっていた携帯をそこから離し、本体をボードへと投げ置いた。