第18章 挫折と貫徹
°˖✧✧˖°縁下side°˖✧✧˖°
今襲われたって言った?
聞き間違いじゃないよな?
山城の言葉に思わず立ち止まった
『襲われたって言っても未遂なんだよ?』
笑顔を作る山城に力は胸が痛くなった
『それでね、ずっと学校にも行けなくて
付き合ってた彼が毎日家に来てくれてたけど怖くて会えなかった
そんな時に父さんが宮城の会社に帰ることになって
鉄朗・・・彼に一方的に別れのLINEを送って
宮城に逃げて来たの』
「菅原さん達は知ってるんですか?」
『この話をしたのは力がはじめてだよ』
はじめて?俺信用されてる?
そう言えば今2人だけど大丈夫なのか?
『もうこの話はお終い!早く部活行こう』
歩き始めた山城につられ鞄を肩にかけなおし烏野高校へと向かった
第二体育館の前まで来て大きく深呼吸をし気合を入れて扉を開いた
体育館の中は監督の怒号が飛び交っていた
「監督!!」
声をかけるとギロリと睨まれた
Σ怖っ!?目だけで人殺せそう!!
「すみませんでした!!?」
監督
「何やってやがるさっさと着替えてこい!!」
「Σハイ!?」
急いで部室へ向かう途中で山城の方を振り返った
「萩さんありがとうございました!」
『一緒に頑張ろうね』
嬉しそうに笑顔で微笑んで体育館へと入って行った
萩さんはやっぱり悲し顔より笑顔が似合うな・・・
「よし決めた!」
萩さん・・・いや山城さんの為にもバレー頑張ろう!
後は男性恐怖症か・・・西谷と田中を気を付けて見とかないといけないな
?
「Σあっ縁下!」
声がした方へ振り向けば成田一仁と木下久志が居た
「Σ成田、木下!着替えてから行った方がいいぞ!!」
急いで着替えて体育館へと向かった
3人で監督やバレー部の皆に謝り練習に参加した
部活後は心臓がバクバクと破裂しそうなほど動く
ゼエゼエと息をしながらも久しぶりの感覚に笑みを溢す
『お疲れ様』
「山城さん、俺レギュラー入り出来るよう頑張ります!?」
山城さんのこと今度菅原さんに相談してみよう
俺のこれからの目標は
レギュラー入りすることと
山城さんを見守ること