第12章 音駒高校
°˖✧✧˖°夜久side°˖✧✧˖°
入学して張り出されたクラス分けを見て教室に入り窓際の一番後ろの席に座った、する事も無くボーっと外を眺めていた
橘
「山城はどんだけモテるんですか~」
『えっ何言ってんの結花、あの人は案内してくれただけでしょ?』
橘
「いやいや、あれは下心アリって顔だったよ~」
女子2人組が話しながら入ってきた
まだ席は空席が沢山あったが二人は俺の前の席とその隣に座った
『おはよ。私は萩山城
こっちは親友の橘結花、よろしくね』
俺の前に座った子が後ろを振りむき微笑んで挨拶をしてきた
可愛さの中に色気を含んだその笑顔に目が奪われた
開かれた窓から入ってきた風に腰まである綺麗な金髪がサラサラ揺れる
人生初の人目惚れだった
毎日学校に行くのが楽しくて、他愛もない話をして仲良くなった
一週間ほどたったある日の朝、山城が来るのを待っていた
「ちょっと待ったーー!!」
廊下から叫び声が聞こえてきた
「何だ?」
暫くすると山城と結花が教室に入ってきた
挨拶を交わし「何かあった?」と声をかけると結花が
上級生から熱いラブコール貰っていたと言い出した
ラブコールって何だ?告白か?
頭をフル回転させて結花が言った言葉を理解しようしていると山城がマネージャーの勧誘だと訂正した
ホッとしたのもつかの間、告白した人達はみんな返り討ちにあってると結花が言い出したがそれもまた山城は訂正していた
断ったって事は俺にもチャンスある?
そこで思い切って聞いてみた「彼氏いるの?」と言う言葉の返事は「うんいるよ?」
はいっ失恋決定しました・・・・・
地味に落ち込んでいるとポンと肩を叩かれた
橘
「夜っくんドンマイ🎵」
『夜っくんどうしたの何かあった?』
橘
「な~んでもな~いよ、ねっ?」
「ハハハ・・・」
放課後、衛輔はバレー部にやって来た
そこには同じく1年の黒尾鉄朗と海信行がすでに来ていた
黒尾
「どうした夜っくん元気ねーぞ?」
「告白する前に失恋した」
ぶっひゃひゃひゃと笑い声をあげて元気出せよと肩を叩かれた