第7章 失恋と得恋
°˖✧✧˖°黒尾side°˖✧✧˖°
お茶を持って部屋に入ると山城が部屋の片づけをしてくれていた
「おっサンキュー急いで出たから片付けてなかったんだよ」
『ええ~今日だけじゃないでしょ?』
呆れる仕草も可愛いなあとクロは思う
「細かいことは気にするなよ山城ちゃん」
机にお茶を置く
いきなり泣いた理由を聞くわけにもいかずとりあえず練習試合の事を聞いてみた
「そんで、練習試合はどうだった?」
『相手は宮城でも強豪の北川第一だったんだけどね
ストレートで勝っちゃった』
山城が出てたんだ負けるわけねえわな
ブランクがあると言っても試合に出ていなかっただけだ。
いつも俺達男バレと一緒に練習はしてきたのだから
『それでね時間が余ったから男バレを見に行って、サーブトスのコツ教えたり、なんか成り行きで3対3で勝負したりしたの』
そういや、大塚って子から写メが送られてきたな
「写メの男も男バレ?」
馴れ馴れしく山城に抱き着いていやがったが知り合いなのか?
『そ、そうだよ、宮城に居た時同じクラブに通ってたの』
「二人とも?」
『えっと、左側の子だけです・・・・・』
「右の奴は初対面か?」
『う、うん・・・主将の及川徹さんです』
こんなへらへらした奴が主将だと?山城にべたべた触りやがって
『あ、あのね!あれは凛達の悪ふざけ(黒尾「ポジションは?」て・・・へっ?』
「だから、ポジションだよ」
『二人ともセッターです・・・』
セッターねえ・・・
『徹の事は良くわからないけど飛雄は天才って感じかな』
とおる?
「・・・・随分仲が好いんだな」
『えっ!?な、何で?』
「とびお?は兎も角、初対面の及川の事も名前で呼んでるじゃん」
気に食わねえな何で初対面の野郎を名前で呼んでんだよ
笑顔を張り付け山城に近づく
逃げんなよ俺を見ろ
『く、クロ?』
「俺の事は苗字呼びなのに、初対面の及川は名前呼び?
なあ山城、俺の事も名前で呼んで?」
もう逃げれねえぞ、呼べよ俺の名前を
『て、鉄朗・・・・』
涙目・・・上目遣い・・・反則だろ
『っん』
「好きだ山城、俺だけのものになれよ」