第7章 失恋と得恋
『お邪魔しま~す』
黒尾
「おう!なんか飲み物持ってくから俺の部屋に先に行ってろよ」
『わかった』
トントントンと階段を上り扉を開く
枕は床に落としたままで布団は乱れ
脱ぎ捨てられた服が散らばっている
山城は机の横に荷物を置き服を畳み乱れたベッドを直す
黒尾
「おっサンキュー急いで出たから片付けてなかったんだよ」
『ええ~今日だけじゃないでしょ?』
黒尾
「細かいことは気にするなよ山城ちゃん」
机にお茶を置きながらニヤッと笑う
黒尾
「そんで、練習試合はどうだった?」
『相手は宮城でも強豪の北川第一だったんだけどね
ストレートで勝っちゃった』
黒尾
「まあ、山城が出てて負ける事はねえと思ってたわ」
『それでね時間が余ったから男バレを見に行って、サーブトスのコツ教えたり、なんか成り行きで3対3で勝負したりしたの』
黒尾
「写メの男も男バレ?」
『Σ!(ビクッ』
な、何!?部屋の温度が下がったような気がするんですけど・・・・
『そ、そうだよ、宮城に居た時同じクラブに通ってたの』
黒尾
「二人とも?」
『えっと、左側の子だけです・・・・・』
黒尾
「右の奴は初対面か?」
『う、うん・・・主将の及川徹さんです』
黒尾
「へぇー主将ねえ」
え、笑顔が怖いっ
『あ、あのね!あれは凛達の悪ふざけ(黒尾「ポジションは?」て・・・へっ?』
黒尾
「だから、ポジションだよ」
『二人ともセッターです・・・』
黒尾
「ふ~ん、上手いのか?」
『徹の事は良くわからないけど飛雄は天才って感じかな』
黒尾
「・・・・随分仲が好いんだな」
『えっ!?な、何で?』
黒尾
「とびお?は兎も角、初対面の及川の事も名前で呼んでるじゃん」
にこにこと笑顔でクロは距離を詰めてくる
クロが距離を詰める分山城は後ろに下がる
『く、クロ?』
黒尾
「俺の事は苗字呼びなのに、初対面の及川は名前呼び?
なあ山城、俺の事も名前で呼んで?」
トンッと背中がベットに当たりこれ以上下がれなくなった
名前で呼ぶ 簡単な事なのになかなか出来ない
『て、鉄朗・・・・』
ちらっとクロ改め鉄朗を見上げると唇に温もりを感じた