第7章 失恋と得恋
仙台発14:30 東京着16:04 こまち20号
鎌田先生や結花に先に帰る事を報告して
はるさんが取ってくれた新幹線のチケットで
東京へと帰ってきた
黒尾
「山城ー(ギューッ」
改札を抜けたところでクロが駆け寄ってきて抱きしめてきた
『ただいまクロ(ギュッ』
黒尾
「Σ!?」
抱きしめ返すとビックリし固まってしまった
『クロ?どうしたの?』
黒尾
「それはこっちのセリフ!いつも「やめて」とか言ってただろ?」
『そうだっけ?』
黒尾
「俺が恋しくなって早く帰ってきたのか(ニヤッ」
抱きしめる腕に力を込める
『少し離れてクロのありがたみが分かったのかもね』
顔をあげて微笑みかける山城の瞳が赤い事に気づいた
黒尾
「・・・あっちで何かあったのか?」
びくっと山城の体が震えた
『そ、そうだね・・・色々あったよ~』
黒尾
「へぇ~それはぜひ聞いてみてえな~
でもここじゃあうるせえし家に帰るぞ」
無理に笑顔を作る山城の手を引き家へと向かった
宮城で何があった?
なんで泣いたんだ?
なんでそんな顔で笑うんだ?
俺に頼れよ!
俺に甘えろよ!!
俺が身も心も愛してやるから俺だけを見ろ!!!