• テキストサイズ

【黒バス】幼馴染み。【赤司】

第4章 04




「メール、見なかったの?」

 彼に限って連絡の類を見逃すことはないと知って嫌味を送る。
けれど彼が堪えるわけもなく、飄々と返しながら席に着く幼馴染みの前に冷えた麦茶を注いだばかりのグラスを置いてやった。

「見たから来たんだろう」

 何を当たり前なことを。赤司の表情はそう言いたげだ。
各自で用意しろと言ったにも関わらず敢えて用意した彼の行動が意味するところが分からないわけではない。
心配してくれているのだと理解している。
だが今はメールを送った意味を理解してほしかった。
いや、無理な話とは分かっているけれど、しかし分かれと思ってしまうものではないか。

「は一人にさせるとろくな食事をしないからな」

 やはり。
胸中息を吐きながら紅い瞳を避けるようにして視線を逸らした。
幼馴染みの言う通り、私は自分の食事に頓着がない。
自分一人ならば空腹が満たせれば何でも構いはしなかった。
空腹を感じなければ、つまりあのまま夢中になって食事を忘れていればきっと私が夕飯を口にすることはなかっただろう。
一食忘れた程度では死にはしないのだし、そんなことよりも私を夢中にさせている目の前の作業に時間を使いたい。
そんな私の悪い癖を知っている幼馴染みは懸念して、着替えることもせずにやって来てくれたのだ。
分かっている。分かっているが、彼は何も分かっていない。

「どうせなら、コンビニよりも征十郎の家のご飯がよかったんですけど」

 コンビニ弁当よりも赤司家で食べる食事の方が美味しいと断言している理由がある。
彼の家には専属シェフが滞在しているため、何時だって豪華でいて美味な料理が提供されるのだ。
彼の母が作る時も勿論あるが彼女は生粋のお嬢様で料理をする環境になかった。
/ 34ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp