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【黒バス】幼馴染み。【赤司】

第4章 04


 階下に下りて先ずすることは洗顔。
迷うことなく足を向けた先は洗面所だ。
自分の部屋が位置する二階には存在しないので、どうしても一階に下りるしか方法がない。
気だるげな足取りで向かった先で手早く洗顔を済ませ、眠っている間に生じた粘膜を取り除くため歯を磨く。
身支度を整えれば心持ちすっきりして幾分か背筋が伸びる気がするので、登校だの休日だの関係なく最低限の身形を保っている。
さすがに自堕落にはなりたくもない。

 取り敢えずは水分を摂ろうと思い次いでキッチンへ向かった。
冷蔵庫の中には水出し麦茶が常備されていると知っている。
受験に備えて勉強を始めるよりも、私にとっては朝食だけれど時間的に少しばかり遅くなった昼食を摂るよりも、何よりも先に喉を潤したい私は真っ直ぐにキッチンへと入ったわけだが、此処でも室内に蒸した熱気が出迎えてくれた。

 常であれば必ず母がいて快適な空間であるはずの場所が何故こんなにも暑いのか。
キッチンと直結しているリビングを覗き込めば部屋に灯りはなく、人の姿がなければ気配も見られない。
どうやら出掛けていて誰もいないらしい。
平日なので父親は出勤しているし、祖父母と暮らしているわけでもない。
父、母、私の家族構成で兄弟姉妹のない一人っ子の私は、母が出掛ければ家に一人だった。
今に始まったことでもなく、もっと幼かった頃から繰り返される現象にはもう慣れたので何を思うでもない。
なんだ、誰もいないのか。思うことは、それだけだ。
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