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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第6章 腐った世界


【top secret】



―雅紀sideー


 


「連絡も取れないし、マンションにも居ない事が多い。

気になってね。‥‥調べてみたんだ」



話し続けてたユウさんが、途端に口を噤んで、スーツの内ポケットから煙草を取り出した


酷く胸騒ぎがして、膝の上に置いてた掌をギュッと握り締める



紫煙が立ち登るのをじっと見つめながら、…言葉を待った




「仕事をしてるみたいで」

「ニノが…?」




そんなの聞いてない


「それも、仕事の内容が‥‥
カズがお金を欲しがる理由、思い当たることがなくて。マサキ君、知ってる?」

「‥‥お金?」






パズルのピースみたいに
色んな場面が、繋がってく


母ちゃんの入院や、ウチの経済状況


ニノなら、知ってる




留守中に投函される茶封筒

あの時間帯なら、
ゆうじゃなく、俺が見つける可能性が高い

新聞配達の事も、ニノは知ってる









…あの痣が頭を過る




「ニノの仕事って、なんですか‥‥」




目を逸らしていたユウさんが、灰皿に煙草を押し潰すと、真っ直ぐに俺を見つめた







躊躇った様子で、口を閉ざしたまま







「教えて下さい」

「カズは、君に知られたくないと思うんだ」

「大丈夫です。約束します。俺、誰にも言いません」

「‥‥じゃあ、今から言うこと、知らないフリしてくれるかな」




頷いた俺に、ユウさんが話し出す








想像以上の事実



鈍器で殴られたみたいに、頭はクラクラしてた



聞いただけの言葉じゃ、上手く変換出来ないし


信じられないってのが本心で‥‥


違う。‥‥信じたくなかっただけなのかもしれない






握った手はビッショリと汗をかいてるのに……







「マサキ君、顔色が悪いよ。大丈夫かい」

「は‥‥い」







大丈夫なワケない

だけど、

ホントに大丈夫じゃないのは




きっと‥‥






「ユウさん。その、
‥‥仕事先知ってるんですよね?連れて行って貰えませんか」





必死に整理して、
覚悟して発したセリフだったのに



俺の声は酷く震えてた



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