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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第6章 腐った世界


【痕跡】





ー雅紀sideー







「いきなり押し掛けて申し訳なかったね」

「いえ」

「バイトまで休ませたし‥‥その分は保証するから」

「えっ!とんでもないです」




柔らかい笑顔のその人は、
前に一度会った印象そのままで


紳士的な物腰は、いかにもデキる男



そんな人が、酷く落ち着かない様子で現れたから

タダゴトじゃないんだって思った

助手席に乗せられ、行き先もわからないまま








「えっと、今日は?ニノ…二宮くんの事ですか?」

「‥‥その事なんだけどね。マサキ君」

「はい‥‥?」







ご飯は食べたと言うと、


じゃあ、お茶でもと、ホテルの中にある高そうなサロンに連れられ


向かい合わせに座った






「マサキ君は、ジュースでいいかな」

「あ、はい。すみません」

「そんな緊張しなくていいよ。
‥‥って、こんな場所、若い子には居心地悪かったね」

「いえ。あの‥‥」

「ユウでいいよ」

「はい。えっと…ユウ、さん‥‥話って言うのは」






運ばれたジュースが目の前に置かれる

ユウさんに勧められ、ひとくち飲んだ





だけど、その雰囲気に、嫌な予感は拭い去れなくて‥‥


多分、それは表情に出てたんだと思う






「マサキ君は、カズが好き?」

「へ?」

「カズがあの部屋に人を呼ぶの、初めてだったからね」

「‥‥‥初めて?」




そういえば、ニノから友達の話なんて聞いた事ないな





「えっと、好きですよ。友達ですから」

「‥‥友達ね」

「‥‥‥?」

「今日はね、聞きたい事があって君に会いに来たんだ」

「‥‥はい?」

「カズがね。最近おかしくて」

「おかしい?」






途端に、気になってるあのアザが浮かんだ




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