第6章 腐った世界
【in the daytime】
気付いたら、
自分ンちのベッドで、泥のように寝てた
上着も着たまま
手には部屋の鍵を握ってた
遠くでアラームが鳴り出し
ボンヤリとした意識が、徐々に鮮明になる
重い頭を起こし、時計を手に取った
‥‥8時、過ぎてんじゃん
準備しねぇと遅刻だな
でも、‥‥眠い
ぐるぐる色んな思いが巡って‥‥
仕事のせいで学校休んだら、雅紀のせいみたいでヤだな
そこはケジメ付けたくて‥‥
のろのろと身体を起こし、ベッドに座った
「ニノ、なんか顔色悪くない?」
「‥‥そう?」
パンを頬張りながら、雅紀が眉間にシワを寄せる
「ホントだ。大丈夫なの?全然食べてないみたいだし」
櫻井まで、机に伏せた俺を覗いて来る
「大丈夫だよ。眠いだけ」
チラッと顔を上げただけで、
また伏せた俺に、2人の会話が聞こえてくる
「眠いって、二宮君、最近ずっとだよね?‥‥もしかして」
「え‥‥なに?」
こそこそ、耳打ちしてさ
「ホントに?そうなの?」
「そうでしょ。彼女出来たんだよ」
勝手に盛り上がってるし
「ねぇ!ニノ、そうなの?ねえ!ねえ!」
なんでそんなに嬉しそうなんだよ
「‥‥うっせーな」
「だって気になるじゃん」
「‥‥だったら?」
「へ?」
「今朝の電話ン時も、オンナのトコだった‥‥」
「そ、なの?」
ふーん。そーなんだ、
なんてボソボソ言いながら赤い顔してる
なわけねぇだろ
金にもなんないのに寝たりしない
もう、適当に遊ぶなんてしないよ
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