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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第6章 腐った世界


【明けない夜 3】







白み始めた空

身体中の痛みと気怠さ

虚しさと

何ともいえない悔しさ

プライドなんか、捨てたハズなのにな







フラフラの足取りで

まるで酔っ払いみたいに、 路地裏で身体が崩れる



眠い

眠い



意識が遠退きそうになった俺に、



‥‥機械音が響いた


自分のケータイだと気付いて‥‥数秒


ポケットから取り出し、画面を覗いた







「……」




力無くボタンを押す






『わっ、あ!ニノ!!』





なんで‥‥?





『うわ!ゴメン!起こしちゃった!』





耳奥に、キンキン響く雅紀の声





『バイト行くとこなんだけど‥‥間違って押しちゃったみたい!!』

「‥‥‥」

『寝てた、よね?』





心配そうな声

アイツの顔が浮かぶ





「…あ、…当たり前だろっ、おもっきし寝てたし……」





どうにか言葉を絞り出すと、同時に白い息が漏れた






『ゴメン!もっかい寝て』

「言われなくても寝るわ」






ひゃひゃっといつもの笑い声が響いて‥‥


ジンと胸の奥が熱くなる




『ニノぉ、今日外スゲー寒いよ。暖かくして学校おいでね』

「…ああ」






……ホントだな
今日はいつもより一段と冷える


ケータイ持つ手が悴んでる






『じゃね!ゴメンね!おやすみ!

また後でね!』






ツー…、と聞こえた瞬間




ダラリと腕が伸びた


早く帰りたいのに……力出ねぇよ


触れたジーンズに、押し込んでた茶封筒を感じ


ギュッと握り締めた








見上げた路地裏の狭い空



お前も今、


同じ空の下にいるんだな








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