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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第6章 腐った世界


【明けない夜 1】






ジワジワと残る痛みを感じながら、


口元を押さえつけられた手からは、キツい香水が漂う



腕を後ろで拘束され、自由を奪われた身体


目だけ動かし、ヤツらを順に睨んだ


さっきすれ違ったヤツらだ





「お前さ~?ユウさんに飼われてんだって?」




ニヤニヤしながら顔を覗き込んで来る


俺を押さえてる2人が、乱暴に俺を床に投げ出し


俯せで押さえ込まれ、
リーダー格のヤツに差し出されたような形になる


顎を掴まれ、無理矢理、顔を上げさせられた






「ナンで店に出てんだよ?金ならあんだろ」

「VIP客ばっか相手させて貰ってさ、オマエ邪魔なんだよ」




やっかみね

こーゆーの、ホントにあんだな




「‥‥何?俺に辞めろって言いたいの?」






ニヤリと笑う俺に、 ヤツの顔色が更に曇った





「ナンだよ、その目」



俺の顎を掴んだまま、ますます怒りを含んだ目で睨み付けてくる



俺は、冷ややかな視線を送り、思ったままを口にした




「こんな事するヒマあんならさ?

気に入られるよう媚でも売ったら?」

「なんだって…?」






「‥‥ムカつくな。生意気なんだよ!」




屈んでた身体を起こし
俺の腹に、勢い良く足が入った


力の加減なんかされてない


顔を避ける辺り、バレたら不味いのもちゃんとわかってる


身体に出来た傷は、最中に出来たものだって片付けられるだろうしな






「ゴホッ…、ゴホ…」




乾いた咳を吐き出し、

痛みが腹に集中する




「犯ル?」

「でもコイツ、
ダメージないでしょ?ヤられなれてんだから」

「つまんねーな」





俺の頭上で
ケタケタ笑って、

勝手な会話が飛び交う



仕事の後で疲労も眠気も限界に近い







「なぁ、コイツさ?即金らしいぜ」

「マジ?」







ヤツらのその言葉に、身体が強張った




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