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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第4章 そして僕等は堕ちてゆく


【懐かしい顔】







「懐かしいな‥‥」

「そんないい思い出ないだろ」





黒を基調とした高級感漂うロビーを抜け
ホテルのような造りの、絨毯張りの廊下を進む


その中でも一番奥にある、VIP専用の部屋


巨大スクリーンのようなカーテンに向かって、
ぐるりと革張りのソファーが並んでる


カーテンの奥はガラス張りの部屋で
キングサイズのベッドが置かれてるだけ





観賞用スペースだ


金を腐る程持て余した奴らが


メニューで選んだお好みの人間に、好きなプレイをさせる


男女問わず
人数も金さえ積めば、好きに出来る


お人形遊びみたいなもんだ
ホントに金のある奴らの娯楽ってのは、悪趣味だな








「アンタ、相変わらず続けてたんだ?」

「金になるからね」

「‥‥だよね」






ボソッと呟き、仕事のセンパイに色々と説明を受けた





「ユウさんは?捨てられた?」

「まさか。‥‥ま、社会勉強?」



渡された黒いスーツに着替え始める


視線を感じながら、上半身裸の俺に
センパイが近寄り、背中越しに抱き締めてきた




「とりあえず一発ヤっとく?」

「ヤだよ。俺、持久力ないもん。ムダに体力使いたくない」

「お前大丈夫なの?ここの客、相当エグいよ?」

「怖いなぁ(笑)」




クスクス笑いながら、ボタンを留めジャケットを正した




「まぁ、ガンバって?」




ポンと肩を叩かれ、センパイは部屋から出てった


俺と同じような小柄な体型に明るい髪色


ユウさんに連れられ、
初めて此処に来た時、 相手になったヤツ




白い天井を見上げた

明るすぎる照明は、どんな醜態も鮮やかに映すんだろうな









あの日


14になったばかりの俺は、


父親の葬儀の後
学生服のまま、ユウさんの元へ向かった






 
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