第4章 そして僕等は堕ちてゆく
【すべてを捨てた日】
何もかもに絶望した
母親を許せなかった
どうにか復讐したかったんだ
だから、決めた
金も力もあるこの男を利用しようと
そしていつか、
コイツを俺なしでは生きていけない身体にしようと
それが叶うまで、ひたすら従順な飼い犬として生きて行こう
プライドなんかない
自分のためだ
母親の男だったユウさん
俺と父さんを捨てて、この男を選んだんだ
学生服の俺は、初めて人に色目を使った
「オニイサン♪俺のこと買わない?
‥‥ハジメテだからさ、調教しがいあると思うよ」
ユウさんは一瞬驚いた顔したけど、
足先から頭のてっぺんまで、舐めるような視線をぶつけた
「‥‥面白いね」
ニヤリと口端で微笑み、俺をこの部屋へ通した
「テストしようか。楽しませてくれたら、話聞くよ」
ドカッと黒いソファーに腰を下ろし
側に付いてた男に、何かを伝えて
しばらくすると、
ノック音が響いたドアからは
整った顔立ちの華奢な男が入って来た
「サトシ、この子に教えてやって」
「‥‥コイツ、でも、」
制服姿の俺に、困惑の表情を見せた彼に
ゆっくり近付くと、 慣れないキスをした
男としたのは初めてだった
自分から舌を差し込むのも‥‥
だけど、
彼の首に腕を回し、夢中で舌を絡める俺に
その気になってくれたのか、応えるように舌が絡んだ
生まれて初めての激しいキスに、
ふっと眩暈が起きそうになった俺の尻を
グイッと、ヤツが掴む
「初めてで俺って大丈夫?せいぜい頑張って(笑)」
ふにゃっと笑った顔は、
さっきのキスと同一人物とは思えなかった
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