第1章 終わりの始まり
【出会うべくして】
その日、たまたま保健室で鉢合わせた 、それだけの関係
時間が経てば、記憶にも残らない
……ハズだった
なのに…
「ごめんなさい。私、他に好きな人がいるの」
聞く気もないのに聞いてしまった
たまたまだよ
保健室は先客がいて仕方なくって‥‥
滅多に行かない図書室
机に伏せたまま‥‥寝かかってた
だけど、
特徴ある鼻に掛かった声が響いて‥‥ 耳を傾けた
「だから、気持ちは嬉しいけど」
「いや!あの、違うんだって!とりあえずっ」
この、テンパった喋り‥‥
もしかして‥‥
いや。確実でしょ
ゆっくり上げた顔
本棚の影で視界は悪いけど‥‥
女の子の後ろ姿越しに、ひょろっと背の高いオトコが見えた
やっぱな。思わず吹き出しそうになる
今度はフラレてんの!?
すげーなアイツ