第3章 汚ねぇ大人になるように
【義務と演技 2】
「ハッ…あぁ!」
ユウさんの冷たい指が、
割れ目へと滑り、蕾に触れる
ゆっくりと解すように掻き混ぜ、囁く
「やっぱりカズは可愛いね」
簡単に指を飲み込み
それでも足りないとヒクつかせる
女のアレと、まんま同じ
もう自然と俺の身体はそうなってんだ
ガクンと力が抜け
支えてた左手が、テーブルを滑りながら床に崩れた
ピカピカの黒いカウンターのタイルには
淫らな俺が映し出される
四つん這いにされたまま、
そんな俺を見てる、俺に気付いたユウさんが‥‥
ニヤリと嬉しそうに笑った
「ああぁっん!!!」
グイッと押し込まれた、慣れたはずのその質量に思わず声を上げる
ハッハッ…と息を整えようとしても
動きは加速するばかりで‥‥
も、無理
踏ん張った片肘がガクガク言い出した時
喘ぎ声とヤラシイ音のみだった部屋に
行為を中断しろとでもいうように
ケータイが‥‥鳴り響いた
無視してんのに
空気を読めない呼び出しの長さは、きっとアイツだ
「早く、出たら?」
タイルに映るユウさんは
相変わらず笑顔のまま楽しそうだ
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