第3章 汚ねぇ大人になるように
【義務と演技 1】
「あっ‥‥ふ…っ、やぁっ」
こんな、 動物的なのは久々で
ワインを飲んで
雰囲気のある中
どちらかが始める、みたいなセックスが最近は殆どなのに‥‥
「おねっ‥が、待っ!」
ユウさんにお酒を用意しようと
背中を向けた俺を
いきなり背中から抱き締め
顎に手を添えられ、背の高いユウさんの唇が吸い付く
既にアルコールの味がするキスに、そういうことかと納得した
何かイイコトがあったから飲んで来たんだな
ユウさんは、イヤなコトの後は酒は飲まない
酒で紛らわそうとするのは、弱い奴らがするコトらしい
第一、そんな時に飲む酒が美味いわけないからだと
「…っんぁああっ!」
学ランを開かれ
中に着てたシャツのボタンを中途半端に外されたまま
下半身をズボン越しに弄られた
徐々に反応し出す俺自身を、下ろされたチャックの隙間から取り出し
ギュッと掌に包まれる
ユウさんの吐息が耳を擽り
舌が這い‥‥耳朶を甘噛みし、入り口に舌先が入ると‥‥
鳥肌にも似た快感が全身を駆け抜ける
俺を追い詰める手の動きも、少しずつ速くなって
「ユウさっ、ベッド行こ‥‥よ」
カウンターテーブルに左手を付き
必死で崩れるのを我慢する俺の言葉に
ユウさんは反応しない
カチャリと外されたベルト
途端にふっと、後ろ側だけが外気に晒され、ズボンが床に落ちないのは
完全に勃ってしまってる自分自身のせいで‥‥
何故か今日は
完全に入り込めない自分に戸惑っていた
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