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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第1章 終わりの始まり


【期待を裏切らない】








授業の終わりを告げるチャイムが響き、


暗黙の了解で服を着る


外されたボタンを留め、ずらしたズボンを上げる俺の横で


乱れた髪をひとつに纏め、赤い口紅を塗り直す




とりあえず、シャツに口紅が付いていないか確認して、学ランを羽織った


鏡を見ていたセンセが、俺に振り返り


いつでも来なさいねと耳元に囁く




俺はニッコリ頷いて、保健室を後にした







廊下の肌寒さに身を縮めると‥‥

自分に染み付いたオンナの匂いに、吐き気がした




今日はもう帰ろうか‥‥

昼前からヤってちゃ、正直何もやる気出ない





賑わい始めた廊下に辿り着いた時


途端に、誰かが行く手を遮った




少し目線を上げたそこには

例の‥‥


‥‥ドーテーくんが立っていて、何か言いたげにもぞもぞしてる




「‥‥?」

「あの、あのっ‥‥」

「‥‥‥」




無視して通り過ぎようとした俺に バカデカい声が響く




「さっき保健室でっ‥‥助けてくれてあり‥‥むぐっ‥‥」


咄嗟にこのバカの口を塞いで、廊下の端に追いやった


「‥‥ぐるぢぃっ‥‥」


バタバタ暴れるバカを、壁に突き飛ばし解放する



「お前‥‥人に聞かれんだろ」

「俺はただお礼をっ」






困ったような、恥ずかしそうな顔してさ‥‥




「別に、代わりにヤっただけじゃん?寧ろラッキーじゃない?」



内心ラッキーなんて思ってもないけど ヤツの手前、そういうことにした






「そうなの?‥‥だってそんな顔してなかったよ?」





鈍感そうなわりに、何か感づいてたのかってすげー意外で



「気にすんなよ。こっちは暇つぶしだから。‥‥ってか、お前も童貞守れて良かったな」

「ど、どうていって」

「違うの?」

「‥‥そう、だけどさ」




周りを見渡すと、近くを通り掛かったヤツが吹き出しから‥‥


‥‥仕方なく俺は口を開いた




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