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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第2章 無限に続く愚かな優しさ


【名前】







お代わりのコーヒーを飲み終えると

ソファーに座った相葉は、そのままウトウトし出した






毛布を掛け、伏せた瞼を確認して覗き込む


いつもの、バカみたいに騒いでる顔とは違う


少年と大人の入り交じったような、あどけない顔




酷く儚げでキレイだ

コイツって‥‥整った顔してんな‥‥






気配に気付いたのか、


“ニノ”と呟くから


目を細め、しゃがみ込み‥‥話し掛ける






「なぁ‥‥?聞いてもいい?」

「‥‥ん‥‥」




相葉の瞳は閉じたまま





「地球が滅びるんだ。でね‥‥一隻の船があんの。
お前はそれに乗れるんだけど、動物を一緒に連れて行けんだって」

「‥‥」

「1つだけ‥‥選んで」


お前ならきっと、迷いなく選ぶだろう




「馬‥クジャク‥トラ‥羊」

「‥‥‥」





もう眠ってしまったのか


そう思ったタイミングで


相葉はぽつりと零した







「‥‥俺は、乗らない」

「え‥‥」

「そしたら代わりに、どれか1つだけじゃなくて、

‥‥乗せて上げられるよね」







囁くような声が徐々に小さくなり、

‥‥寝息に変わる


俺はテーブルに頬杖ついて、黙ってそれを見てた






「雅紀」






約束する

俺は、お前の初恋を奪ったんだ





だから、 代わりに俺が満たしてやるから




あの子を忘れられるように

お前が幸せになれるなら‥‥





「なぁ‥‥名前で呼ばれたら嬉しんだよな?

ヤローに呼ばれても嬉しくないとか、言わせねぇからな?」






覚悟しとけよ


俺も、"ハツコイ"なんだ






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