第1章 終わりの始まり
【ホントは気づいてた 1】
素っ気ねぇ部屋だな‥‥
自分ンちなのに、さっきまでやたら少女趣味な部屋にいたせいで、
今さらながら、そう思った
カーテンの隙間からグレーの空が覗く
青空だったのにな‥‥
陽も落ちてきたし、アイツも帰ったか‥‥
待ち合わせた時間なんて知らねぇけど、
動物園だしな‥‥
ベッドに横になり目を瞑ると
ガラス窓を打ち付ける
不規則な音が響き出し‥‥
雨が‥‥降ってきたのだと気付く
まさか、
まさかな‥‥
待ってるワケない
オマエの大事なあの子は、何度も意識飛ばしてさぁ‥‥
頭ん中、もう俺しかないよ
だから、 いくら待ったってさ?
絶対に来ない
来るわけないんだ
だけど、もしかして
アイツなら‥‥
掛けてたジャケットを掴み
暗い部屋を飛び出した
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