第13章 あの日の僕ら *オマケ
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「……?あの、コレ?」
手切れ金?
……嘘だろ(汗)
「サトシはここで一番古いし……
私もね、君には思い入れがあるから(笑)」
「え…っ、まさか?
覚えてるんすか?」
「もちろん。可愛かったからね。
"お願いやめて"って、泣いてさ……」
うーわっ
まさか、ユウさんが覚えてたとは……
俺が、この店に初めて来た時、相手してくれたのがユウさんだった
今じゃ有り得ねぇよな……まじで泣くとかさ(笑)
「とりあえず、それ渡しておきたかったんだ。
後で、私が帰ってからでも見てくれたらいいから」
「はぁ」
「いろいろ……よろしくね」
「はぁ?」
イマイチ状況を把握出来ない俺に、
ユウさんは『あともう一つだけ』と付け加えた
「カズとマサキだけだよね?未成年で、今いるのは」
「……多分」
「何かと面倒だ。……それも、サトシに任せるから」
「へ?」
意味深に笑って、立ち上がったユウさんは
掛けてたジャケットを羽織った
「え…?帰るんですか」
「ああ…。息子に呼ばれててね」
「小遣いせびられんじゃないっすか(笑)」
「……どうかな」
ユウさんを見送り、受け取った封筒をポケットに入れ、
待機室に向かおうとした時
誰かが勢い良く横を駆け抜けた
同じ黒いスーツに、見慣れた後ろ姿
すぐにカズナリだって気付く
「……っぶね~な、なんだアイツ」
ワケわかんね~ことばっかだなって、
ネクタイを締めながら廊下を進むと
VIPルームに近付くにつれ、異常な騒ぎ声が響いていた
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