第13章 あの日の僕ら *オマケ
ーサトシsideー
出勤時間ギリギリに更衣室に入った俺を、
まるで待ち構えてたかのように、黒服が呼んだ
慌てて私服からスーツに着替え、ネクタイを首から下げる
「なに…?予約入ってたっけ?」
また、シフトの確認ミスかと尋ねた俺に
事務所から顔を覗かせたのは、意外な人だった
事務所の奥にある、オーナーの部屋
軽く頭を下げて、促されるまま中に入る
「サトシは、もう何年になるんだっけ…?」
「へ?…俺?」
唐突な問い掛けと、
普段、あまり笑顔を見せないこの人が、めずらしく柔らかい顔をしていて……
……妙な違和感を覚えた
「……えっと、来た時15だったから……11年め?」
「長いな(笑)」
「金になるから、なかなか辞めらんないんすよね」
「そう。けど、そろそろ……」
そう言いながら、ユウさんは机の引き出しから、何かを取り出した
え、まさか、俺……クビ?
緊張しながら、次の言葉を待つ俺に
ユウさんは、取り出した封筒を渡した
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