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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第1章 終わりの始まり


【彼女の選択】





いつもより長くいた店内



ガラス越しに覗かなくても、外が暗くなったのがわかる

存在さえ気付いてなかった街灯が、店の前を照らした


心理テストも終え、帰ろうと背中を向けた俺を


また彼女が呼び止める


何も言わず振り返ると、
着けてたエプロンを外し、意を決したように話し出した






「あの‥‥私ももう上がりなんです。だから‥‥」





君は‥‥

アイツより、俺を選ぶの?





"羊"を選んだからって、信用するの?






「お見舞い、遅くなっちゃいましたね。‥‥すみません」

「‥‥いや。別に」




俺の少し後ろを歩く彼女が、

必死に俺に歩幅を合わせてる






興味ないモノに、合わせるなんて無駄だと思う


そんな優しさ振りまくほど、俺には余裕なんてないんだよ





自分さえ良ければいいんだ





だから


初めて大事だって、

トモダチだって思えた、アイツのためなら







「もう‥‥遅いし。ばあちゃん寝るの早いからさ‥‥」

「‥‥」

「今日は、行くの‥‥止めようかな」





立ち止まり

ゆっくり振り返った


君の瞳が、不安げに揺れてる




いいよ?

決めなよ

どちらにするか





「どっか、行く?」





鞄と花束に塞がれた掌は

差し出すことさえ出来ないよ?




それでも、俺を選ぶってなら

花屋に通ったかいがあったよ






相葉?


こんな女、想いが深くなる前に



俺が、

目の前から消してやるよ





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