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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第1章 終わりの始まり



【心理テスト】






俺の視線を浴びながら、
彼女は今日も、俺に花束を作る






明日、どんな服を着ていこうか‥‥とかさ

頭ん中は、アイツみたいにデートの事でいっぱいなの?





「‥‥入院、長いんですか?」

「え‥‥?」

「毎日、お花持ってお見舞いなんて、その‥‥」


振り返った彼女が、出来上がった花束を俺に渡した





俯き加減で、ハッキリ表情が見えないけど‥‥


彼女の"何か"に気付く


俺は、キュッと口角を上げ‥‥彼女に微笑んだ







「大事な人なんだ」




泣きそうに彼女の顔が歪んだ


‥‥それで、確信





「ばあちゃんが怪我してさ?俺が花持って行ったら喜んでくれんの」

「‥‥おば‥あ、ちゃん?」

「そうだよ?」






すっとぼけた顔して

何にも気付いてないって‥‥


君の本心なんて、正直どうだっていい


だけど、アイツとの約束はどうゆうつもりで受けたの?








花束を片手に、鞄を脇に抱えた俺を彼女の声が引き止めた





「あの‥‥っ!ちょっとだけ、いいですか?」

「‥‥なに?」





試すように話し出したのは





「心理テストなんです!」

「は?‥‥テスト?」

「地球が滅びるんです。そこに一隻の船があります。

‥‥ノアの箱船なんですけど‥‥その船にね?自分と動物を連れて行けるの。次の動物から選んで下さい」

「唐突だね」





ふふっと笑ったけど、

彼女の瞳は真剣だった





「馬、クジャク、トラ、羊‥‥どれを選びますか?」



ふぅ‥‥と息を吐いて、


真っ直ぐに彼女を見つめて言った




「‥‥羊。なんか暖かくて良さそうじゃない?一緒にいると」





すると

俺が今まで見た彼女の笑顔の中で

たぶん、一番じゃないかって思うくらいに‥‥





「男の人の場合は‥‥

羊って答えた人だけが、女の子を幸せにしてくれるそうですよ」






たった4択のくだらないテストで


彼女が何を抱いたかなんて俺には関係ないけど





知らなかったな

女の子は、ずいぶん安易に幸せになれるんだね?




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