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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第12章 真昼の月 真夜中の太陽


【アイシテル】


ーニノsideー





「………なっ、」





唇が離れた瞬間、


薄く目蓋を開いた雅紀が俺を見た




あまりに突然の事で、
突っ込みの言葉が直ぐに出て来ない





エレベーターが閉まる中、

先に乗り込んだおじいちゃんとおばあちゃんが、口を開けて俺らを見てた








「俺も……アイシテルよ?」







ちょっと口元を緩めて、


わざとなのか、カタコトに、


だけど、真剣な顔をした雅紀が、照れ臭そうに言った






俺らしくもなく、かぁーっと全身熱くなって……


動揺して……







「なッ!オマエ、何しっ……バッカじゃねーのっ!」






どうにか出した言葉に、


雅紀はニコニコと笑うだけで








「……そうだよ?バカだもん。俺」





悪びれる事なく、そう言って……


……言葉を続けた






「もうね?……俺、我慢すんの止めたの。

おんなじ迷惑かけるなら、
ずっと側でかけてたい」








何だよ‥‥


なんだ、それ


勝手に決めんな……っ!


……って、救急車でのセリフ、ちゃんと聞こえてたんじゃん





ムカついて、言い返したい事は山ほどあんのに……




無邪気な笑顔を向ける雅紀を見てると……


何も、言えなくなった








結局、俺は……


コイツには一生勝てないんだって思う




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