第1章 終わりの始まり
【アスヲオモウ】
『オレね~?今日、思い切ってデートに誘おうと思うんだ』
そう、相葉に言われてから
次の日には、
世界中の幸せを独り占めしたみたいな顔してさ?
朝から俺んとこ、飛んで来た
「いいって!動物園!デートしてくれるって!」
こんな寒空の下、動物園かよ?って‥‥
突っ込んでみたけど、アイツの耳には、そんなの入ってない
頭ん中、彼女の事だけでいっぱいだ
「カズ、何考えてる?」
「ユウさんのこと」
「即答する割には、ねぇ?」
ユウさんが、俺の顔の前に立ち
口で‥‥、と強要する
言葉で言われなくても、そう求められれば、従うしかない
舌を出し‥‥
ユウさんの太股に手を添える
ワザとやらしい音を立てながら、ゆっくりと丁寧に舐めた
静かな部屋に
ユウさんの荒い息が響き始め‥‥
チラリと顔を見上げると、『まだ』だと頭を押さえつけられる
また‥‥深く頭を沈めると
“イイコ”とでもいうように、頭をグシャグシャと撫でられた
アイツの無邪気な顔が浮かぶ
好きな子とデートだってハシャいで
告白しようと意気込んで
あわよくば、手を握り、
キスをしたいだとか
アイツは今も考えてるんだろうか
「ホラ、集中してない」
撫でてたハズの優しい手が、 乱暴に髪を掴む
鼻も尽きそうなくらい密接し‥‥
俺は仕方なく、欲しがる獣みたいに
その部分を執拗に攻め立てた
童貞でなんも知らない、まっさらなオマエと
飼われて、セックスを強要される俺
それでも明日になれば、
肩を並べて、焼きそばパンなんか食ってんのかな
ね‥‥?
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