第12章 真昼の月 真夜中の太陽
【生涯何があっても愛する人へ】
ーニノsideー
救急車の中、
意識のない雅紀を見つめながら
芽生えた恐怖心に、押し潰されそうになる
蒼白い血の気のない顔
もしも、もしも雅紀が‥‥
このまま目を覚まさなかったら…!?
縁起でもないと思いながら、恐怖心で身体が震えてる
ギュウッと手を握り締め……
閉じた瞳に囁いた
「雅紀、愛してる……」
「愛してる‥‥っ」
やっと、見つけたんだ……
自分より大事なもの
頬を包み……唇を寄せる
初めてのキスは……
ただ、冷たくて
お前が好きだと
愛していると、
何故言えなかったのかと
今更の言葉を 何度も囁く
決して、応えてくれるわけでもないのに
綺麗な顔を見つめながら
生きる意味なんてないと思っていた世の中はそうではなかったと
だけど、
お前が居なくなってしまえば
それは本当に、闇にまみれただけの汚い世界になってしまう。
ねぇ…?
お前と同じに瞼を閉じれば
幸せな幻想だけでも
見れるのかな
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