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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第12章 真昼の月 真夜中の太陽


【心拍数】




ー雅紀sideー





「……んっ……ぅ~ん、」





体を纏う熱に、寝苦しさを感じて、
体の向きを変えようとすると……身動きが取れなくて、


目の前の目蓋を伏せたニノに気付いた





一気に目が覚める





ぎゅうっと繋いだ右手


ジワジワと込み上げる暖かい気持ち


くすぐったくて、照れくさくて……




ニノの寝顔は、普段以上に幼く見えて、可愛くて、思わず
ふふって、笑ってしまう








時計も存在しない部屋には

ふたりの心音と呼吸だけが、響いていて





悩んだすべての事が、どうにかなりそうな気がする







その時


微かな異音に気付く




耳を済まして、それを辿ると……


椅子の背もたれに無造作に掛けた、ニノのスーツにたどり着いた








止まないバイブ音


ニノの顔を覗いて、そっと、握った手を離すと


ベッドの縁に座り、そこに手を伸ばした





何となく……嫌な予感がして……


スーツのポケット


ニノの、黒いケータイ








ディスプレイには、誰の名前も表示してなくて……




だけど、こんな夜中


もしかしてって……


浮かんだのは……








声も出さず、電話に出ると







思った通りの、


声が……


………聞こえた








『二宮……お前のマンションに来てんだけど……』


「………」


『今ドコだよ?

………なぁ、もうさ』








嫌な予感、やっぱり正解だって確信して


ドクドクと心臓が激しく波打つ





ギュッとケータイを握り締めると、置いてたシャツを掴んだ







『全部………

終わりにしようぜ……』





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