第1章 終わりの始まり
【おなじ花】
「マサキくんて、ひまわりみたいね、だってぇー!!」
ニヤニヤしながら、
俺の背中をバシバシ叩く相葉
「あ、そ~‥‥」
コイツのバカ力で、咽せそうになるのを堪え‥‥ 含んだ缶コーヒーを飲み込む
「だからね?俺言ったんだ!
ナナちゃんは、菊みたいだーってね」
「菊て‥‥」
「だって、花屋にあったんだよ?可愛い花だったからさぁ‥‥」
「‥‥デイジー‥‥」
「そう!それ!‥‥なに?ニノ、花詳しいの?」
「‥‥ちょっとね」
「ナナちゃんがね、確かに菊科の花ですけど、デイジーだって教えくれたの」
今日も、
昨日も、
相変わらず話題の中心は彼女で‥‥
どーでもいい話を、それはそれは嬉しそうな顔で教えてくれる
俺は、マンガ読んだり、ゲームしたり‥‥
聞いてないよーな素振りで‥‥
頷いたり、『そ~』なんて適当な返事したりして‥‥
相葉が見た花はきっと、 俺が見たのと同じ花
たくさんあったよね‥‥
だけどさ?
俺も言ったんだ
お前があの日、自慢気に見せたピンクの薔薇
それを指差し、
『キミみたいだね』って‥‥
嬉しそーにさ?
頬をピンクに染めて可愛かったよ
だって、
まんまだなって‥‥
一見、可憐で見てる分にはいいけどさ
棘を隠して、
俺か相葉か、品定めしてんじゃない?
ねぇ?どうなんだろね
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