第10章 夢見る頃を過ぎても
【エンドレス】
ー櫻井sideー
あれだけ力が入ってた身体は、
まるで媚薬でも口にしたみたいに
別人のように、熱を放ち、
甘い吐息が耳奥を刺激する
首に回された腕には力が込められ、曝した肌が制服越しに触れた
「しょっ…ち、ゃ…あぁ…」
少しの愛撫に反応して、素直に身体を拓く
普段、無邪気な雅紀が、妖艶に乱れる様は
ゾクゾクと快感の波が押し寄せ、脳を刺激した
授業開始を知らせるチャイムが響く
どこか遠くで聞こえてた喧騒が、静まり返った
誰も来ない状況だと確信すると、完全に理性が崩壊し
イヤ
もうとっくに、そんなのなくなってた
「お前の身体ヤラしいな。どんだけ反応してんの?」
二宮の為にやってるとわかっていても
目に見える反応が、
俺の胸の隙間を埋めるような気がした
心音と伝わる温度が、心地良かった
次第に固くなり、大きく膨れ上がった雅紀の欲望を
強く握ると、ドクドクと脈を打ち、反り返ってゆく
「な…?感じる?」
耳元に囁くと、何も応えない代わりに甘い息が漏れた
淫らな顔を、声を、俺の指に感じる様を、目に焼き付ける
それが、二宮に対する当て付けでも
気持ちがなくても、行為だけで繋がる事で、あいつが苦しむなら、と
ここが学校だなんて、どうでもよくて
何なら、誰かに見せ付けていいとさえ思った
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