• テキストサイズ

真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第10章 夢見る頃を過ぎても


【スパイダー】




ー櫻井sideー







空席を見つめながら、パンを頬張る雅紀


二宮は今日で3日続けて学校を休んでる




俺が……犯した次の日からだ


身体が動かないせいだとばかり思ってたけど、


3日だろ…?


"風邪"って事になってるけど、

雅紀と俺の事を見てられなくなったか……?





まさかな……そんなヤワじゃねぇだろ


だけど アイツなら、
もしかしたら何かを企んでるかも知れない


考え込んで黙った俺を、
雅紀が心配そうに覗き込んだ





「どしたの?むずかしい顔して~」

「あ…、イヤ。二宮君、大丈夫かなって…」

「だよね…気になるよね」





そう応えながら、心配そうな顔をしてる……けどさ



二宮も気になるけど……


雅紀の動向にも、疑いを持たなくちゃいけないと思っていたから……


横目で、雅紀の様子を伺ってた


いつもと変わらない……違う


ひとつ、気になった





「あ…そうだ!しょーちゃん、母ちゃんの退院がね決まったんだ」

「まじ?良かったじゃん」

「うん。いろいろありがとね……ゆうの事とかさ」

「大したことしてないでしょ」





俺の言葉に笑う姿は、気のせいかとも思ったけど


コイツなら、

『ニノのお見舞い行こーよ!』

……なんて、いつもなら大騒ぎしない?


なんで何も言わない?


前に、1日休んだだけでも騒いでたよな?


やっぱり……変だ







一度気になると、考えを巡らせ行き着いた答えは


やっぱり気のせいなんかじゃなくて……


そうだとしたら、俺への告白も納得がいく


二宮も雅紀も呆れるほど想いあってんだ


ただ……


雅紀は、ドコまで気付いてんだ?


ソコ、大事だよね




やっぱり俺は、誰にも気を許すなんて出来ない







/ 308ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp