• テキストサイズ

真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第10章 夢見る頃を過ぎても


【幻影】





ーニノsideー





「ちょっ…ああっ、ぁっはぁ…何っ…あ!」





ほとんど日も開けず、
通うようになったユウさんは……


櫻井と親密な関係があると知った日から、


その行為はエスカレートしていく





手錠に繋がれ、

妙な薬を飲まされ、

異常に反応しやすくなった身体は
何度も何度も、無理矢理昂められて……




限界なんか、とうに越してた


ぶっ飛びそうな意識の中、


"自分"を保とうと……とにかく必死で……






ユウさんは…


自分が付けた痕に

上塗りするような、覚えのない爪痕に




「いっ…!ぁあっ‥‥やあっ!!」




所有物だと"烙印"を押す


異常な程に、こんなガキの俺に執着するのは……


胸元に滲む赤い血が、"すべて"







ユウさんの舌がそれを舐め取り‥‥


俺の顔を見つめる





「愛してるよ‥‥」





囁かれる愛の言葉


それに、俺は応える





「"ワタシ"も、

……愛してる」








俺に重ねる幻を演じてみせたらいい


ユウさんはずっと、
あの女しかみていなかったんだ





幸せそうに唇を寄せ、


欲を注ぎ、

はぁはぁと息を乱しながら、俺の胸元に顔を埋めた





俺に溺させる事が目的のひとつだった


漸く叶えられたのに……


何だろうな、靄がかかったような頭の中は……


俺が望んだモノは一体何だったのか


"シアワセ"なんて何も見えやしない




そもそも此処には、


存在なんかしてなかったんだ









/ 308ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp