第10章 夢見る頃を過ぎても
【飛べない鳥】
ーニノsideー
昼休みに入って、気付いたら2人の姿はなかった
自分の席に着きながら、気にはなったものの……
学校だし、昼間だし、
何も知らない雅紀に何かするなんて……ないよな
晴れた高い空を見上げながら、確かに限りない青が続くのに……
俺は雁字搦めに、何もかもを制限されて
窓枠に納まるちっぽけな存在に思えた
俺は…
どうしたらいいんだろな
「ニノー!お昼は?焼きそばパン買って来たよ」
教室に入って来た2人の姿
雅紀がにこにこしながら俺に近付く
その後ろをついて来る櫻井が、意味あり気に笑った気がした
教室の隅
同じ空間、時間を共有して
一緒に焼きそばパン食ってさ…
笑ってるけど
ホントに笑えてたヤツなんていないんだ
どうして俺らは
10代のキラキラした一瞬を…
こんな風にしか過ごせなかったんだろう
いつか、あんな頃もあったねと、本当に笑える日が来るんだろうか
ちっとも、そうは思えないけど
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