第9章 BAD KIDS
【イロナキセカイ】
ー雅紀sideー
今までとは違うって、なんとなく感じてた
しょーちゃんは優しいよ
ニノだって、うん。優しい。
だけど、
違う
教室の片隅
窓際にふたりが並んで、何かを話してる
センセに呼ばれて、職員室から戻ると
俺の視界にその光景は飛び込んだ
「ね…二宮くんと櫻井くん、一緒にいるの絵になるよねー」
「うんうん!カッコい~いつも一緒にいるよね~
仲良いんだね〜」
2人を見ながら、クラスの子が噂してて
確かに遠目には、仲良く見えるのかもしれない
だけど、
3人でいるとね、妙な感じがすんの
2人は何か俺に隠してる
だって…
「雅紀、追試だって?」
「ダッセ」
2人が仲良すぎるとね
嬉しいはずなのに、違うって思うんだ
「そんな笑わないでよー」
ひゃっひゃと笑いながら、2人に近付くと
当たり前みたいに、2人の間が空いて
俺は、何にも気づかないフリして
そこに納まる
ニノが俺をバカにして突っ込んで……
しょーちゃんが、それ見て笑う
俺は、「笑うって、ヒドくない?」
……って、おどけてみせて……
笑ってんのに
みんなでいるのに
なんだかね、苦しいよ
一度色に染まったキャンバスは、
もう、真っ新には戻らない
……戻れない
何にもないフリして笑うなんて、やっぱり無理があったんだ
それでもね。
俺はきっと、
笑うことをやめないけれど……
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