第9章 BAD KIDS
【暗々裏】
ーニノsideー
この店の奥……
会員の中でも、限られた人しか利用出来ない秘密の遊戯場
表向きは会員制BARで、
多くの客は酒を飲んで、飲みながらリストを吟味する
本日の玩具を指名し、奥の部屋に進む
黒いスーツに身を包み、
酒の相手をするのも俺らの仕事で
もちろん、客を獲得する為に
黒服の間でも心理戦や裏営業は存在する
「お待たせしました」
にっこり笑って、オーダーされてもない酒を差し出す
もちろん『頼んでない』と返ってくるワケで
ワザと大袈裟に慌てて謝る
そしたら…
たいがいのお客様は
「いいよ。それ貰うから」
俺がワザと差し出した酒を受け取ってくれる
『ありがとうございます』
素直に可愛らしく笑ってみたらいい
"アイツ"を選ぶようなタイプの客
S気質のヤツがほとんど
雅紀の無邪気な笑顔と、純粋そうな瞳
汚したくなんのかな。きっとそう
ここの客みたいに、
金が有り余ってて腐ったヤツらは
キレイなモノを壊したくなるのか
手中に収めたいのか
だから……
アイツみたいに、笑ってみせた
精一杯の嘘振りまいて……
印象付けたら、ほぼ成功
リストから俺を見つけた客は
純粋な殻を被った俺を指名してくれる
予約もなしに、こうして来る客は
まだお気に入りの玩具を見つけてないはずだから
「カズナリ、指名だ」
……ビンゴ♪
さて、
行きますか
バカだって言われてもいい
プライドなんて、俺にはないって思ってた
だけど、見つけたんだ
俺には
オマエだけなんだよ
あとは
なんもいらない
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