第9章 BAD KIDS
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「……モノと変わんねぇよ?ペットだもん」
「……」
「……そうだ。せっかくだしさ?お前指名してやるよ」
「なに言って」
「シテ貰おうかな。俺も」
本気じゃないだろって顔してんな
もっとリアクションしたら面白いのに
「父さんみたいに相手してよ?」
「ふざけんな」
「俺は至って真面目だよ」
「……仕事、戻るわ俺」
「あっそ。残念(笑)」
第一、ここで雅紀見張って、俺からは守れたとしても
客の指名はどうしようもないだろ
雅紀が好きにされんの我慢出来るのか?
間違っても客に問題でも起こしたら、ペナルティーは相当だ
この手の仕事は金になる分、リスクは高い
コイツもバカじゃない
ちゃんと理解してるはずだ
「櫻井」
仕事に戻ると、立ち上がった二宮は
俺を射るように見つめ
静かに告げた
「俺なりのやり方で、アイツ守るから」
ドクン…、と
心臓が、音を刻む
湧き上がるのは憎しみだけ
コイツのブレない視線が…、怒りをまた、増幅させる
俺が見たいのは、
お前のそんな顔じゃねぇんだよ
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