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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第9章 BAD KIDS


【苦界】







「ざまぁないな?」




崩れ落ちた二宮に合わせ、腰を降ろすと

顎を掴み、無理矢理目線を合わせる




「なぁ?今、どんな気分?」



ニヤリと笑い、ただ……見据えた

怒りに満ちた、……だけどやるせない表情だ






「なに?感激して何も言えない?

好きなヤツのあーんなトコ見れたしねぇ?」



雅紀をチラリと見た後、二宮を嘲笑う



「…なん、で……雅紀を?お前、アイツと仲いいだろ…」

「仲いいよ?たださ、仕方ないじゃん

お前の大事なヤツが雅紀ならさ」






使えるコマは何だって利用する



確かにアイツは可愛い後輩"だった"


今は、都合のいい存在、それだけだ





「お前にわかる?親父が愛人作ったって…

若い女ならまだしも、俺と歳も変わんないガキだよ?」



(俺を睨み、顎に当てた俺の手を払いのけた





「だからっ!なんで雅紀なんだよ…っ!」

「なんか勘違いしてない?

雅紀がやってんのはさ?俺のせいじゃない」

「…え」

「お前の代わりに働いてんだよ。大事なトモダチの身代わりにな」




俺は、ただキッカケを作っただけだ






「純粋で優しいアイツはさ
自分の為に身体売ってるってね?…自ら選んだんだよ」

「俺の…せい?」

「そうだよ。俺はなーんもしてないから」





ガラスの向こうを眺めた


殆ど抵抗する力も残ってないのか、

雅紀は男達に身体を揺すられたまま






「お前が昔っから身体売ってんのも知らずにね…

ねぇ…教えてよ?
お前はどうしたら苦しい?

……絶望する?泣き叫ぶの?」


「お前…」

「俺はね?それがみたいんだ。とりあえず……」







雅紀の悲痛な声が聞こえる




いつものアイツは何処にいったんだろね


ガキみたいにニコニコ笑う雅紀は…



「お前はさ、自分が傷つくのなんか平気だろ?

だから決めたんだ。

雅紀を地獄に落としてやろってね…

覚悟して?二宮君」




二宮は


黙って俺の事を見てた



なぁ…お前は今何を思う?





俺はね?

やっと、すべてが報われるんだって



最高の気分だよ





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