第9章 BAD KIDS
【ショータイム 2】
『ハッ…やっ、あぁっ…』
部屋に入った途端響いた、疳高い声
ガラス張りの向こうにいる3人の男が、淫らに裸で絡み合っている
まさかその中に雅紀がいるだなんて、微塵も思ってない二宮は
冷ややかな表情のままだ
ほら、雅紀?
もっとイイ声で鳴けよ
ヤらしい顔見せてやれよ
二宮の横顔をただ見つめた
その瞬間を、どれだけ俺が待ち望んだと思う?
「っ…!?」
雅紀が上体を逸らし
その淫靡な表情で、こちら側を向いた
いいね その顔
ゾクゾクする
「‥‥なん、だ‥‥よ?コレ」
口元を押さえ、震えた声が響く
「ビックリした?」
クスクス笑いながら、
二宮と並び、ガラス張りの向こう側を眺めた
抵抗出来ない雅紀が、
好きにされてる
「お前と一緒だよ?」
「え?」
「お前も飼われてるだろ?」
「調べて全部知ってるから」
「お前、なに言ってんだ?」
拳を必死に押さえて、
身体を小刻みに震えさせてる
「そんなのいいから!早くアレを止めさせろ!」
力任せに壁を叩きつけ、俺を睨む
覚えとけ二宮
その傷みや憎しみ、怒りは
ずっと俺が背負ってきたもんだ
お前や…お前の母親が
俺や母さんにどれだけの苦しみを……
目に焼き付けておけよ
これがお前の現実なんだ
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