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真昼の月 真夜中の太陽 【気象系BL】

第9章 BAD KIDS


【ショータイム 1】






「どこに連れて行く気だ」





教室を出る前に電話をし、舞台を整えた


それから、二宮を連れ校門に向かい、迎えの車に乗り込む


後部座席に並んで、今から起こるビジョンが浮かんだ







コイツはどんな顔を見せてくれるのか







「前にさ?ペット飼ってるって話したの覚えてる?」

「……は?」

「今から会ってやってよ。可愛いんだから」

「お前、なに言ってんだ」







イヤな予感はしてんだろうけど




多分ね
想像以上だよ


車は走り続け、刻々とショータイムが近付く







暗くなり始めた空の下


漸く車が停まると、あからさまな嫌悪感を出した





「……なんのつもりだ?」


「とりあえず降りてよ」




先に降りて、二宮に態とらしい笑顔を向ける

苛ついた表情に舌打ちまでしちゃって……


それでも素直に後を着いて来る






店内に入ると、顔見知りの黒服が俺と二宮を見比べた


意外な組み合わせか(笑)


俺まで二宮と関係あるって思われるだろうな





それこそ、ペットじゃん


我が家の愛犬ですっつって? みんなで可愛がってます、って?


あ~…似たようなもんか


これからは、……ね?







「頼んだの、始まってる?」

「はい。電話があってから暫くしたら出勤して来たんで…」





予定通りだな

振り返り、顎で二宮を促し

店内の廊下を奥へと突き進んで行くと


時折すれ違う黒服や客が 制服姿の俺らをチラチラ見てた







一段と暗くなった照明の下


重いドアを自ら開け、『どうぞ』と招き入れる


一瞬、怪訝な顔を向け


ヤツは、中へと身体を滑り込ませた


後ろ姿を追い込むように、奥に進む




そして


VIPルームのドアを開けた二宮を、


その瞬間を見逃すまいと


しっかりと見つめた




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