第1章 終わりの始まり
【ピンクの薔薇】
「ニノ!聞いてよっ」
ふふっと、嬉しそうに笑って‥‥
昼休みになった途端
俺の教室まで飛び込んで来た
いつもなら、空き教室で自然に合流すんのに‥‥
「‥‥ナンだよ?」
4限目に使った数学の教科書を机に押し込みながら、 浮かれた顔に一言返した
「コレっ♪」
机にポンと置かれたのは、
ピンクのバラの花
「はっ?」
呆気に取られる間もなく、クラスメートの好奇の視線に気付く
「ナンで花なんか……」
そんな雰囲気にも全くメゲない(気付いてない)天然ヤローは、本人なりに声のトーンを落とした
「あのねっ!昨日ね!イイコトあったんだ」
いつも以上にテンション高めの一際弾んだ声が響く
ふんふん興味なさげに頷いて、 黙って話に耳を傾けた
「あのねっ運命の出会いだって思うんだっ」
「え…」
まるで他人ごとみたいだ
トモダチの初めての相談
「スキナコデキタ」
‥‥なんてさ
こーゆう時、トモダチならどうすんの?
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