第9章 BAD KIDS
【慧眼】
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「どうしたの?んまいよ?」
勢い良く音を立て、ズルズルと蕎麦を啜った
目の前のオトコは
相変わらず納得いかないような顔してる
昼休み
教室まで誘いに行った俺と目が合った瞬間
思いっきりヤな顔したな
『奢るから、行こう』なんて
無理矢理、学食に誘ってみたんだけど
とりあえず、伏線をね?
「用件は気付いてると思うけどさ…雅紀と何かあった?」
「……」
頷きもせず、黙々と食べて…
予想通りのリアクションだな
俺には何にも話したくないってか
イヤ、忘れてしまいたいってか
「…ソバ、伸びんぞ」
「二宮君。俺、心配してんだよ?」
「…はぁ?わけわかんね」
イライラしたような素振りで、丼を持ち上げかき込んで…
「ごっそーさん」
両手を揃え、
不自然な笑顔を向けて
「別になんもないよ?第一、雅紀だってお前とふたりのがいいでしょーよ」
「は?…何の話?」
ズレた話に違和感を抱いた
俺とふたりがいい?
何の事だ?
「うぜーよ櫻井。勝手にやっとけ」
ほんの少し、
警戒心も解かれたかな~、なんて思ったのは気のせいだったかな
ま、いいけどね
言うだけ言って、
二宮は去ってった
結局、何も出来なかったけど
これって…収穫あり?
もしかしてアイツ
とんでもない勘違いしてない?
あ~
すげー楽し
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