第9章 BAD KIDS
【ガムシャラ バタフライ】
「やっぱり何かあったんだ…」
心配したフリして、雅紀に話し出すと
『そうなの?』だなんて、ワザとらしい返事が返ってきた
「心配じゃん。家知ってんならさ?行ってみようか」
「いいよ~。何かってなにぃ?心配ないって。ニノはシッカリしてるから」
「でも」
「いいって。それより、ゆうがまた来てって」
俺には知られたくないのか
俺まで巻き込みたくないのか
必死に話題変えたりしてさ
優しいね雅紀君は
だけどね?その優しさが、二宮を追い詰めるんだ
お前がもう少し狡くて
自分の事ばかり考えるようなヤツだったら
事態は変わったかも知れないね
……そもそも、そんな奴なら、二宮はお前に惹かれてないか
「そうだ。今度、ゆうくんとさ?」
仕方なく、話題を変えたがる雅紀に付き合い
取り留めのない話を始めた
雅紀、お前もよく決断したね
褒めてやるよ
父さんに頼んで、ワザと二宮に会うなんて
そりゃ…ショックだろうな
あんな汚い姿、好きな奴に見られたなんてな
俺なら立ち直れないわ
……なんてね(笑)
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