第9章 BAD KIDS
【蒼い時刻】
シンとした教室
二宮は雅紀を睨んだまま
だけど、しばらくすると
諦めたのか、耐えきれなくなったのか
ため息をついて教室から出てった
二宮の後ろ姿が見えなくなっても
雅紀は動かないまま
『‥‥大丈夫?』と声を掛けながら
倒れたままの机を起こして、目の前に立った
無理矢理な笑顔を見せるけど、動揺してるね
「二宮君、怒ってたね」
「だね」
「追い掛けなくていいの?」
「…なんで?俺悪くないよ。
ニノが勝手に怒って出てっただけじゃん」
「……そう?」
あんな風に言えば、
二宮が自分を嫌いになると、
すべてから手を退くと思ってんのか?バカだな
「…もしかしてさ?お前、お金の出所知ってんの?」
「なにいってんの?しょーちゃん。…知るワケないじゃん」
聞くまでもないんだけどさ
「雅紀は二宮君が好きなんだね」
「なにぃ?いきなりっ、そりゃ友達だもん。
…ってか、今ので嫌われたちゃったかもね」
コイツはまだ、自分の気持ちを自覚してないのか?
雅紀の背中に
静かに放った
天然すぎんのも、そろそろ困るんだよね
「違うよ。好きなんだなって、
その好きとは違う意味で聞いてんだよ」
端から見てたら
誰だってわかるよ
ただのトモダチ相手に、あれだけ出来るか
なぁ雅紀
お前も、その真っ直ぐな気持ちでさ?
ちゃんと二宮を追い詰めてくれよ
期待してんだからさ(笑)
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